前回のブログでは、過去に購入して途中までしか読んでいなかった「死海文書の封印を解く」ベン・ソロモン著(KAWADE夢新書)を紹介し、なぜ途中までしか読まなかったのかを考察しました。
今回はもう少し死海文書の内容にふれてみたいと思います。
死海文書は大別すると、旧約聖書の写本と、共同体ヤハドの著作に分かれている。
「死海文書の封印を解く」では、旧約聖書の写本とヤハドの主な著作を取り上げ、説明しています。
旧約聖書の写本・・・最古の旧約聖書の写本
ユダヤ共同体憲章・・・初期キリスト教団との関連を物語る文書
共同体宣言・・・パウロとの関係を示唆する文書
ハバクク書註解・・・ユダヤ滅亡を預言
銅の巻物・・・財宝の隠し場所を示した巻物
神殿の巻物・・・聖書から外されたユダヤ教の教義
戦いの巻物・・・最終戦争ハルマゲドンの預言
旧約聖書の写本
最古の旧約聖書の写本となります。
いままで知られていなかった創世記外典、聖書にないモーゼの書、なぜアブラハムは息子のイサクを殺して神に捧げようとしたのか、などの資料がかなり含まれている。
ユダヤ共同体憲章
初期キリスト教団との関連を物語る文書。
自らをヤハドと呼ぶ共同体の基本憲章のようなもの。
この共同体ヤハドと初期キリスト教団が多くの点で酷似している。
また、この共同体ヤハドはユダヤ教のエッセネ派とも共通点が多い。
共同体宣言
パウロとの関係を示唆する文書。
これは、人々の指導者にあてた書簡の形をとった「共同体宣言」とみなされている。
この共同体宣言とパウロの書簡で内容と表現がにている点があり、共同体ヤハドがパウロと特別な関係にあったことを思わせる。
パウロとは、ローマ帝国内へのキリスト教の普及に貢献、殉教した聖人です。
もともとはユダヤ教徒だったが、改心してキリスト教徒となります。
ハバクク書註解
ユダヤ滅亡を預言。
元のハバクク書は、前六世紀の預言者であったハバククが自分の国のユダヤが、二つの原因により滅亡することを説く。
ハバクク書註解では新しい解釈として、二つの原因によりユダヤは滅びていくことを預言。
このハバクク書註解は謎の多い文書とされている。
銅の巻物
財宝の隠し場所を示した巻物。
膨大な金銀、宝物を埋めた場所を記したリストです。
このリストをもとに宝探しをはじめた学者も出てきましたが、宝物は見つからなかったようです。
神殿の巻物
聖書から外されたユダヤ教の教義。
全体の約半分がエルサレム大神殿の建設の実施計画なので、神殿の巻物という書名がつけられている。
しかし、従来のトーラー(モーゼの律法五書)にはない律法の内容が多く含まれている。
そのため、この神殿の巻物はトーラー(モーゼの律法五書)と同じ聖なるものとみなされている。
ところが最近(死海文書の封印を解くは1998年の発行)の研究によると、神殿の巻物は共同体ヤハドの著作ではないと考えられている。
戦いの巻物
最終戦争ハルマゲドンの預言。
死海文書には終末論に関係した文書が多くあり、中でも過激派のリーダーによって書かれたとされる「戦いの巻物」はその最たるものだそうです。
「光の子たち」と「闇の子たち」が、神の計画通りに世界最終戦争(ハルマゲドン)を40年間にわたっておこなうという内容になっています。
世界最終戦争(ハルマゲドン)は、5年の平和な時期、6年の準備期間を含めて40年間戦われる。
この戦いはそれぞれが3回勝ったり負けたりするが、最後の戦いでは神の介入により2人のメシアに導かれた光の子たちの大勝利に終わり、永遠の平和と光輝くイスラエルの時代がもたらされる。
2人のメシアのうち1人は、日本から現れるともいわれていますね。
また戦いの巻物には、軍隊編成、組織の詳細、武器の設計・生産方法、戦闘隊形、出撃方法、戦闘指揮の執り方などが書かれており、戦闘マニュアルのようなものでもあるそうです。
かつてイスラエル軍の軍事顧問をしていたY・ヤディン教授は、「戦いの巻物」に書かれている軍隊の動員方法や編成術などが、現代のイスラエル軍によくあてはまることに驚いたそうです。
「戦いの巻物」に書かれている武器は、剣とか槍とか弓矢なので現代の武器とは違うのですが、基本的な戦闘組織は同じようなものらしいです。
今回は「死海文書の封印を解く」で説明されていた死海文書の内容を簡単にまとめてみました。
やはり預言好きとしては、「戦いの巻物」には強く興味を惹かれます。
「世界最終戦争(ハルマゲドン)」、「2人のメシア」なんてもの凄く興味深いです。
このあたりが詳しく書かれている本もぜひ読んでみたいです。
次回は、「死海文書の封印を解く」の後半部分を紹介していきたいと思います。
「死海文書の封印を解く」を読む その3 に続く
最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんに嬉しいことが起こりますように。
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